電子カルテとは - 電子カルに求められるデータ連携とセキュリティ
電子カルテとは、病院で医師が記録する診療記録(カルテ)を電子化し、保存・管理するシステムである。 電子カルテは、法的に保存義務のある文書等の電子保存の要件として、真正性、見読性及び保存性の確保の3つの基準が示されている。
「法的に保存義務のある文書等の電子保存の要件として、真正性、見読性及び保存性の確保の3つの基準が示されている。 それらの要件に対する対応は運用面と技術面の両方で行う必要がある。 (中略)各医療機関等は、自らの機関の規模や各部門システム、既存システムの特性を良く見極めた上で、最も効果的に要求を満たす運用面と技術面の対応を検討されたい。」 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5版(平成29年5月)第7章(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000166260.pdf)より抜粋
- 真正性
- 正当な人が記録し確認された情報に関し第三者から見て作成の責任の所在が明確であること 故意または過失による、虚偽入力、書き換え、消去、及び混同が防止されていること
- 見読性
- 電子媒体に保存された内容を、権限保有者からの要求に基づき必要に応じて肉眼で見読可能な状態にできること
- 保存性
- 記録された情報が法令等で定められた期間に渡って真正性を保ち、見読可能にできる状態で保存されること
電子カルテは、紙のカルテのような物理的な保管が不要であり、デジタル化されたデータとして長期間の参照に耐え、院内システム内の任意の場所でカルテを参照できる、紹介状、診断書作成時において、データの柔軟な再利用ができるなど、多くの導入メリットがある。電子カルテは1999年に国内で初めて認められ、年々普及率が増加している。