モダリティとは - CT・MRI・CR・DRの違いとDICOM連携
モダリティ(modality)は、方式や様式を表す言葉である。医用画像の分野では、CT、MRI、X線撮影、超音波などの検査・画像取得方式や、それに用いる装置を指す。「複数のモダリティを接続する」という場合は、異なる種類の撮影装置を画像管理システムなどにつなぐ意味で使われる。
装置によって撮影原理や画像の特徴は異なるが、患者情報や検査情報と画像を対応づけ、保存先へ渡す必要がある点は共通している。その連携を支える規格がDICOMである。
撮影装置とRIS・PACSの接続をご検討の方へ:モダリティ連携の開発対応をご覧ください。
代表的なモダリティと違い
| 種類 | 画像を得る方式 | DICOMのModality値の例 |
|---|---|---|
| CT | X線を使い、断層画像を再構成する | CT |
| MRI | 磁場と高周波を利用して画像を得る | MR |
| CR | X線情報を記録したイメージングプレートを読み取る | CR |
| DR | フラットパネル検出器などでX線画像をデジタル化する | 一般撮影ではDXなど |
| マンモグラフィ | 乳房を対象にX線撮影する | MG |
| 血管撮影 | X線による血管造影画像などを得る | XA |
| 超音波 | 超音波の反射などを画像化する | US |
| PET | 放射性薬剤から生じる放射線を検出し、分布を画像化する | PT |
| 核医学検査(SPECTなど) | 放射性薬剤の分布を画像化する | NM |
この表は代表例であり、製品の名称とDICOMの値は常に一致するわけではない。実際の値と対応する画像形式は、装置の仕様や出力するデータによって確認する。DICOM PS3.3:General Series Module
CR・DR・単純撮影は何が違うか
単純撮影は、胸部や骨などを撮影する一般的なX線検査を指す言葉である。CRとDRは、そのX線画像をデジタル化する方式の違いを表す。したがって、単純撮影とCR・DRを同じ分類の選択肢として並べると、検査の種類と画像取得方式が混ざってしまう。
CRでは撮影後にプレートの読み取りが必要になる。DRでは検出器で得た画像を装置上で確認できる構成が一般的である。また、DRには直接変換方式と間接変換方式があるため、「DR=X線を直接電気信号に変える方式」とは限らない。例えば、富士フイルムは間接変換FPDを用いたDR装置を公開している。メーカーによる装置紹介
PACSとの接続では、CRからDRへ装置を更新した際に、出力するSOP ClassやModality値、画像の階調などが変わる可能性を確認する。
DICOMタグのModalityと装置の名称
DICOMデータの属性Modality(0008,0060)は、そのシリーズに関する画像取得などの種別を示す。例えば、装置をMRIと呼んでいても、タグ値は通常MRである。PETのタグ値はPTであり、単純に製品名をそのまま格納する項目ではない。
複合装置のPET/CTであれば、CT画像のシリーズとPET画像のシリーズでは異なる値を持ち得る。また、同じModality値でもSOP Classが異なる場合がある。画像の受信・表示への対応を確認するときは、Modality値だけで判断しない。DICOMのシリーズ属性定義
撮影装置はRIS・PACSとどうつながるか
検査前には、モダリティがDICOM Modality Worklist(MWM/MWL)で患者情報や撮影予定を取得する。撮影後には、DICOM StorageでPACSへ画像を送り、対応する構成ではMPPSで検査の実施状況を通知する。
検査予定を取得する → 撮影する → 画像を保存先へ送る → 実施状況を連携する、という役割を分けて理解すると、装置と周辺システムの関係を整理しやすい。IHE:Scheduled Workflow.b
電子カルテ・RIS間のオーダ連携ではHL7などが使われるが、モダリティの画像データ形式をHL7と呼ぶわけではない。また、装置がDICOM対応でも、MWM、MPPS、各種画像保存への対応はそれぞれ確認する必要がある。
現在のモダリティを理解する具体例
撮影装置の変化は、装置の種類が増えることだけではない。同じCTやMRIでも、検出器、再構成処理、生成される画像の種類が進化している。
フォトンカウンティングCTは、X線の光子を数え、そのエネルギーに関する情報を利用する検出器技術を用いたCTである。Siemens HealthineersのNAEOTOM Alphaシリーズが製品例として公開されている。CTの中の技術的な発展として捉えると、モダリティの分類との関係が分かりやすい。メーカーによる技術解説
AI画像再構成は、撮影データから画像を作る工程にAI技術を利用するものである。例えばキヤノンメディカルシステムズは、MRIでディープラーニングを用いて設計した再構成技術AiCEを紹介している。画像から病変の候補などを検出する読影支援AIとは、使われる工程が異なる。AiCEの技術解説
こうした装置を周辺システムにつなぐ際は、生成されるシリーズの種類や画像量、出力形式を確認し、PACS・ビューア・解析システムで必要な情報を扱えるか検証する。新しい撮影技術の名称だけで、接続の可否は判断できない。
モダリティ連携の開発について
撮影装置とRIS・PACSの接続、ワークリスト連携、装置更新に伴う既存システムの改修についてご相談いただけます。リベルワークスでは、DICOM通信の実装や接続仕様の確認、必要な変換・接続処理の開発に対応しています。