PACSとは - 医療用画像管理システムPACSに求められる機能
PACS(Picture Archiving and Communication Systems)とは、医療用画像管理システムであり、CR、CT、MRIといった画像撮影装置(モダリティ)で撮影した画像データをネットワークを通じて受信し、保管と管理を行う。 近年、画像撮影装置の高度化に伴い大量の画像が出力されるようになり、物理的なフィルムでの管理が難しくなり、また必要な画像を瞬時に見たいという医療現場のニーズの対応としてPACSが導入される。院内のシステム(オーダリングシステム、RIS、電子カルテなど)と連携することで業務の効率化を図ることができる。
PACSの機能は、大きく分けて、画像保存機能、通信機能の2つの機能に分けられるが、画像撮影装置がデジタル画像を出力するようになり、画像をデータベースで管理し閲覧するPACSの導入は当然となっている。 ただし撮影装置は、メーカーにより仕様が異なるため、PACSは異なるメーカーの撮影装置から出力される画像を統合的に取り扱う必要があり、DICOM標準規格によって、画像保存と装置とのやりとりを一定の決まりで可能としている。
*モダリティは、医療機器の分類や様式という意味であり、医療現場では主にCTやMRIなどに代表される医用画像を撮影する装置を意味する。 CT:コンピュータ断層撮影装置、MRI:磁気共鳴診断装置、DR:デジタルX線撮影装置、CR:コンピュータ・ラジオグラフィ、XA:血管造影X線診断装置、US:超音波診断装置など。
*DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine ダイコム)は、CTやMRI、CRの医用画像フォーマット、医用画像機器間で用いる通信プロトコルについて定義する、医用画像の共通規格である。医用画像共通フォーマット、通信フォーマットであるDICOMによって、異なるメーカー間における医用画像機器の共有化を実現している。